Wednesday, January 28, 2009

市場の失敗

現代用語の基礎知識

市場メカニズムによって最適な資源配分が達成されるためにはいくつかの条件が成立していることが必要である。逆にいうと、これらの条件が成立していない場合、競争的均衡による最適資源配分は達成されなくなる。このような状況を市場の失敗という。具体的な例としては、(1)費用逓減、(2)外部効果、(3)公共財、(4)不確実性などがある。


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市場の失敗[不完全競争と外部性]
market failure
経済・産業
> 経済理論
> 不完全競争と外部性

■不完全競争
■独占
■市場の失敗
■寡占
■派生需要

完全競争市場での均衡では生産と消費が、無駄なく最大量までなされるという意味で、パレート効率的となる。これに対して、市場を通じてはパレート効率性が満たされない状況を一般に市場の失敗とよぶ。情報の非対称性がある中古車市場では市場を通じて効率的配分が達成されない。また、市場の失敗が起こる別な原因として外部効果の存在がある。
ある経済主体の経済活動が他の経済主体の経済活動に与える効果を、外部効果とよぶ。それが、外部効果の受け手にとって好ましいものであれば外部経済、好ましくないものであれば、外部不経済とよんでいる。
外部経済でも、パソコンの生産量が増加して、プログラマーの賃金が上昇するという効果などは、単に市場を通じての影響に過ぎず、市場の失敗に結び付くものではない。単に、市場が互いに関連していることの結果として、他の市場の均衡価格に変化をもたらす効果は、金銭的外部効果とよばれている。
外部効果として、特に取り上げて問題とすべきなのは、ある経済主体の行動のもつ他の経済主体の生産関数や効用関数を直接変化させる効果で、これを技術的外部効果という。川の上流の企業Aが工場廃水を川に放出し、その量が多い程、下流で操業する染め物工場が水の浄化能力を増大せざるを得なくなるというのは、企業Aが企業Bに技術的外部不経済を与える例になる。

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