Xandrosまとめ
(2005/05/07)
さて、まだまだ細かい改善点はあるのですが、とりあえずまとめます。
記事にはしていませんが、Sambaの日本語化(*1)もできましたし、Xandrosにもともと入っているFirefoxやOpenOfficeも一度全てアンインストールして、日本語版を入れ直しましたので、かなり快適。
ついでに、NVU日本語版をインストールして、現在、そのNVUでこのページを書いています。
もちろん、普段使っているWindowsアプリケーションが使えない不便さはあります。
一番不便なのはホームページビルダーが使えないこと。
まあ、NVUも決して悪くはないのですが、やっぱり圧倒的にホームページビルダーの方が多機能で、故に効率的にページを作成できます。
その次に不便なのは、数々のWindows用フリーソフトが使えないこと。
画像編集ソフト、アプリケーションランチャ、一発画面コピーソフト、自動化ソフトなど、かなり多くのフリーソフトやシェアウェアソフトを使っており、その多くはLinux版がない。(T_T)
これらのなんてことがない小さなソフトウェアも、あるとないとでは使い勝手が全然違ってきます。
一方、Windowsのキラーソフトである、MSOfficeが使えないことについてはさほど不便を感じません。今ではOpenOfficeという代替ソフトがあり、実際筆者も日常的にOpenOfficeを使っていますので、「多少不便ではあるものの何とかなるで しょう」、という感覚ですね。
個人的には、鶴亀メールが使えないことの方がよっぽど不便を感じます(^^i
【XandrosとLinspire(Lindows)との違い】
・GUI化率
GUIの完成度という点では明らかにXandrosの方が上だと思います。
Xandrosの方がコンソールなしでいろいろな事ができるようにXandros独自プログラムがたくさん入っています。よりWindowsユーザを意識した作りになっています。
Xandrosはインストール直後に、GUIの見た目や挙動(System Behabiour)をワンタッチで変更できるようになっています。Windows設定にすると、マジにLinuxだということを忘れそうになります。
一 方、LindowsはデフォルトではKDE標準のGUIになっていて、WindowsXPより豪華なGUI になっています。確かに見ためはカッコいいのですが、問題はウィンドウの挙動がWindowsとはちょっと違う。 感覚的には、WindowsとMacOSの相の子のような挙動になっているのかな?。(MacOSをほとんど知らないので分かりません)
これを変更するには、ウィンドウスタイルの設定やカラーセットを一つ一つ変更しなければならず、結構手間がかかります。Xandrosのようにワンタッチで切替えられるわけもないですし、普通に使っているとそういう機能があること自体、なかなか気が付かない。
また、XandrosはWindowsアプリケーションを動作させるCrossOver Officeという仕組みを(有料ではありますが)用意していることからも、LindowsよりもよりWindowsユーザにフォーカスしている姿勢が伺えます。
・XandrosNetwork VS Click-N-Run
Click-N-Runを使ったことがない私が言うのもなんですが、おそらくClick-N-Runの方がいいのではないでしょうか?
Click-N-Runは有料版でしか使えないというデメリットはあるものの、良い意味でも悪い意味でもapt-getの機能をGUI化しただけという感じです。
一方、XandrosNetworkは無料ではあるものの、機能制限があります。
XandrosNetworkは、なぜかapt-lineに追加した情報が反映されません。どうやらXandros社が配布している正式なプログラムしかリストアップしないようになっている様なのです。(細かい仕組みは良く分かりませんが)
これだと、当然リストアップされるソフトウェアは英語版ばかりなのであまり意味がありませんし、種類も非常に限定されます。結局apt-getを使えないと不便で仕方ありません。
・日本語化率
LindowsでもXandrosでもベースはDebianなので、日本語化できる部分については差が付きようがないはずなのですが、さすがLindowsはわざわざ日本語版として出しているだけあって、うまく日本語化しているようです。
記事中でも多少触れましたが、Lindowsはrootでも問題なく日本語が使用できますし、新しくユーザを追加した時も、自動的にそのユーザが日本語環境で使用を開始できるように作り込まれています。
Debianのカーネルに直接手を下して改造しているとは思えないので、Xandrosでも同じことができるとは思うのですが、つたない知識の筆者では、Linodwsで行っている日本語化の手法が今ひとつ解明できません。m(_ _)m
この辺はやっぱりディストリビュータのノウハウが生かされる部分ではないでしょうか。
また、パネルメニューは全て日本語されていますし、もともとインストールされているアプリケーションのメニューも日本語化されています。
もちろん、Lindows社が独自に日本語化したわけではなく、すでに公開されている日本語版や日本語パッチを適用しただけだと思われますので、 Xandrosで同じことをするのは不可能ではないと思われますが、これを個人でやろうと思ったら、それらを探すのが結構大変そうです。私だったら多少の不便には目をつぶって、英語のまま使っちゃいますね(^^i
【WindowsとXandrosとの違い】
・GUIのスピード
XandrosのGUIはKDEを使用していますが、WindowsXPのGUIを比べると、XPのほうが動作が軽いです。OSの起動にかかる時間もXPの方が早いと思います。
普段、LunaではなくクラシックなGUIで使っているからという分を差し引いても、やっぱりKDEは遅いと思います。
GUIシステムとしての処理効率が原因なのか、KDEがまだまだディスプレイチップの性能を引き出せていないためなのか分かりませんが、やはり、 DirectXなどの高速化技術のノウハウがあるWindowsは、一歩先んじている感があります。
ただ、どちらがゴージャスなGUIを実現できるかと言うとKDEです。KDEでは、アイコンをポイントしたときのアニメーションや、半透明メニューなどが可能です。
・日本語の扱いやすさ
圧倒的にWindowsですね。
Linuxの世界はまだまだ英語中心の世界で、各国語への対応は正直後回しになりがちです。
象徴的なのが、現在のLinuxは文字コードがダブルスタンダードになっていて統一されていません。
ど うやらXandrosやLindowsなどのDebian系はEUCが基本になっていて、FedoraCore系はUTFが基本になっているようです。
恐らく将来的にはUTFに統一されるようになるのでしょうが、現実はそれらが混在していて、あるプログラムはEUCが処理できないとか、その逆があったりとか煩雑この上ない。Linux内部でさえこのような状況なのに、SambaでWindowsマシンと共存させるとなると、Shift-JISの問題まで絡んで来ます。混沌としていてわけが分かりません。
また、日本語入力に目を向ければ、Linuxのそれは低機能と言わざるを得ません。
とはいうものの、変換精度の低さは、実用上はさほど気にならないのですが、それよりよっぽど不便なのは安定性。ごくたまにKinput2(kinput2-canna)が突然正常動作しなくなることがあります。また、カーソルの位置と日本語が入力される位置がずれてしまうこともあります。
原因は分かっていないのですが、文字コードの問題も含めて、Windowsのように安心して日本語が使えるとは言い切れない感じなのが辛いところ。
・日本語フォント
一昔前のLinuxは日本語フォントはビットマップフォントしかなくて、大きなフォントを表示すると非常に見栄えが悪かったのですが、それはもう遠い過去の話。普通にベクターフォントがたくさん揃っています。
ただ、気のせいか小さい文字がちょっと滲んだ感じになってしまいます。(特別不便と言う訳ではないですが、Windowsの画面を見慣れていると違いが分かる)
原因は良く分からないのですが、WindowsXPはクリアタイプ機能を搭載しているので、それが効いているのかな?
・安定性
サーバ分野での実績を見るまでもなく、「LinuxはWindowsより安定している」と言われますが、確かにサーバ用途に使うのならば(LinuxはGUIを必ずしも必要としないので)それは間違いないとは思います。
ですが、GUI(KDE)のような非常に複雑なシステムを入れた状態で比べると、かなり疑問符が付きます。
実際、Xandrosでも(非常に希ではありますが)原因不明のハングアップが何度かありました。
もちろん、このようなことはWindowsでも日常茶飯事ですし、現在筆者が常用しているWindowsXP環境では、時々Explorerが無応答になったりすることもあります。とはいっても、それこそ無数のソフトウェアを入れた状態でですから、むしろかなり頑張っていると思います。
Xandrosは、Windows95/98に比べれば安定しているとは思いますが、Windows2000/XPに比べるとむしろ不安定かもしれないという気がします。
*1:Sambaの日本語化
XandrosにインストールされているSambaはバージョン3なので、日本語化は設定の変更だけでOKです。
/etc/samba/smb.conf
ファイルを開いて、globalセクションに、
unix charset = EUCJP-MS
display charset = EUCJP-MS
dos charset = CP932
を追加するだけです。
…ただ、これだけで全く支障がないかどうかは保証の限りではありません(例えば半角文字の含まれるファイル名とか)。
筆者はLinux→Windowsへのファイル転送ぐらいにしか使いませんので、そういう使い方をする分には、これで全く支障はありませんが。
Saturday, January 24, 2009
Xandrosまとめ
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